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新谷 文将; 平野 雅司; 吉田 一雄; 松本 潔; 横林 正雄; 鴻坂 厚夫
日本原子力学会誌, 34(6), p.565 - 575, 1992/06
被引用回数:1 パーセンタイル:17.24(Nuclear Science & Technology)1988年3月9日、米国ラサール2号炉で発生したBWRの中性子束振動事象に関して、何故振動の発生に至ったのか、安定性の観点から出力分布の影響がどの程度であったのかを明らかにするための解析をRETRANコードを用いて実施した。事象の再現解析とラサール2号炉の不安定領域図を作成するための解析からラサール事象に於て自然循環時に炉心入口サブクール度が増大したために炉心の核熱水力状態が不安定になり、中性子束振動に至った事がわかった。出力分布に関する解析では、安定な出力分布として軸方向にサイクル末期の典型的な分布を、径方向に平坦な分布を仮定した場合にはラサール事象と同一なシナリオの過渡事象が発生しても振動には至らず、振動が発生するまでに炉心入口サブクール度で10k程度の余裕がある事が分かった。
新谷 文将; 平野 雅司; 吉田 一雄; 松本 潔; 横林 正雄; 鴻坂 厚夫
CSNI-178, p.370 - 384, 1990/00
1988年3月9日、米国ラサール2号炉で発生した自然循環状態下での中性子束振動事象は、許認可時の安定性解析の妥当性等いくつかの課題を提起した。原研ではこの事象に関し、1)どのような経過で事象が推移し振動発生に至ったのか、2)当該事象発生のひとつの要因と言われている炉心内出力分布の大きな歪みの安定性への影響はどの程度か、ということを明らかにするための解析を過渡二相流解析コードRETRANを用いて実施した。解析の結果、1)ラサール事象中、炉心入口サブクール度が増大したため振動が発生したこと、2)通常運転時に得られる典型的な軸方向出力分布及び平坦な径方向出力分布を仮定した場合には、ラサール2号炉より自然循環時において振動発生までに炉心入口サブクール度で約10Kの余裕があることがわかった。